子供の虫歯

長尾周格先生の投稿です。
相変わらずストレートに自分の思いをぶつける文章ですが、栄養状態と虫歯の関係性と言うにはその通りです。
虫歯も歯周病も栄養状態が大きく関係しています。
真の虫歯の成因を知れば、歯ブラシとフッ素で虫歯予防をしているのが虚しい行為であるかを知ることが出来ます。
虫歯予防を口腔の中だけでおこるピンポイントな現症としてとらえてばかりで、全身症状の一つとしてとらえることが出来なければ、決して虫歯は撲滅することはできないでしょう。
149945[1]
乳幼児のむし歯

最近では乳幼児のむし歯は減ってきましたが、まだまだ2~3歳の小さい子どもでむし歯になっているのをときどき見かけます。予防歯科を専門としている身としては、非常に心が痛みます。

人間は元々他の野生動物と同様、むし歯にならない生き物です。特に小さい子どもは大人よりもむし歯になりにくいのが普通です。それなのになぜむし歯になってしまう子どもがいるのでしょうか?

むし歯の原因は甘いもの(砂糖などの糖類)です。しかしながら、甘いものを食べたり飲んだりしても、むし歯になる人とならない人がいます。この差はどこから来るのでしょう?それは、栄養状態の差です。逆に言えば、栄養状態が悪ければ、むし歯になりやすくなるのです。

人間の身体には自然治癒力というものがあります。指先などを切ってしまっても、しばらくすると血は止まり、傷口が塞がって元通りに回復します。このような自然治癒力は歯にも存在します。

歯のエナメル質や象牙質の中には血管がありませんから、自然治癒力の主体は唾液が担っています。唾液の量と質が、自然治癒力と大きく関わっています。乳幼児は大人よりも唾液量が多く、これが子どもの歯をむし歯から守ってくれています。また、唾液の中に含まれる炭酸水素イオン(重曹の主成分)が酸を中和し、再石灰化を招くことによって、歯を修復してくれるのです。

ところが栄養状態が悪くなってしまうと、唾液の状態もまた、悪くなります。実際小さいお子さんがむし歯になっている場合、全身的な栄養状態もまた、非常に悪くなっています。

子どもの栄養状態が悪くなるのには、大きく三つの要因があります。

一つ目は、子どもの虐待。
二つ目は、親の食に対する無関心。
三つ目は、親の誤った食に対する思い込み、です。

一つ目はともかく、二つ目は、親が無自覚のうちに子どもを栄養欠乏状態にしているということです。無自覚ですから当然、親の方も栄養欠乏となっています。こういう家庭の食生活は加工食品やインスタント食品が多く、ファーストフードでの外食もまた多いのが特徴です。

三つ目の食の問題は、大抵は玄米菜食や粗食など、親の誤った食に対する思い込みから来る栄養欠乏です。これは非常に厄介で、親は良かれと思ってそういった食事を用意していますから、その考え方を変えさせるのはなかなか難しいのです。特にこのような食生活は、マクロビオティックのような宗教と結びついていますから、食だけの問題ではない人生観の問題となりますので、変えさせようとすると非常に揉めることとなります。

いずれにせよ、結局のところは自覚があるかないかはともかく、小さい子どもをむし歯にするのは立派な虐待です。子どもを虐待する親に対応するのは非常に困難で、しばしばトラブルとなります。それでもそういう虐待親から子どもを取り上げて児童相談所に連れて行ったとしても、別の虐待が待っているだけ。本当に救いが無いと、むし歯の子どもをみるたびに胸が痛みます。


コメントを残す